妊娠や出産のリスクはあるのか

心臓病をかかえる妊婦さんが出産にのぞんだ場合、心疾患をかかえる妊婦さん800人のうち死亡件数は1件のみで、機械便置換手術後の分娩だったということがわかっています。一般妊娠の死亡率は10万人に対して6人の割合ですが、心疾患を抱えた場合の出産でもおよそ10年間のデータをみると死亡件数0件だった期間もあります。ただし、流産や死産の件数は全体の1割程度と高い値になっているようです。一部の心臓病では母子ともにリスクが高く、合併症を伴い、流産や早産となることもあり、妊娠中は母体に生理学的変化がみられて、出産時に急激な血行動態変化がおこるため、母体の状態変化が起こることもあるでしょう。

精神的変化とその対応策

妊娠や出産は女性にとって人生の中でもっとも大きなイベントの1つで身体的面だけでなく、精神的な変化をもたらしますよね。先天性心疾患のない健康な女性であっても、幸福感だけでなく、母親になるという不安や生活の変化に対する不安などを抱え、多くの精神的動揺があるでしょう。特に妊娠初期にはホルモンバランスが崩れ、不安と喜びという相反する感情を強く抱くので高いストレスがかかります。それに加えて、心疾患があるのですから、妊娠前から病気の症状や合併症に対する不安や社会適応がうまくいかないなどうつ状態に陥ることもあるでしょう。そのため、症状に対する不安など、原因のはっきりとした不安に関しては医師に早めに相談をして必要以上にストレスをため込まないようにし、また、妊娠前からうつ状態にある場合は、カウンセリングを受けることも検討してみましょう。

先天性心疾患の男性側の問題

男性が心臓病の場合、妊娠や出産は受け持ちませんが、男性も成人期を迎えると性行為や結婚、育児ができるか、また子供がうまれたときの遺伝の有無、そして、一家の大黒柱として経済的負担や仕事を継続できるか、生命保険に加入できるかなど心配事も多いでしょう。性行為についてはほとんど問題なくおこなえますし、チアノーゼや軽症心不全がある人でも問題はありません。結婚については、女性は既婚率が高いのですが、男性は低くなり、特に中等以上の疾患にその傾向が強くなりますので、病気についてはきちんと説明すること、結婚を考えているなら主治医から説明してもらうのも一つの手でしょう。

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がしっかり閉まらない状態を言います。僧帽弁がしっかり閉まらないことで、血液の逆流が起きてしまいます。